片恋

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3年生に上がり私は体育委員を離れたが、4年生、つまり今、私は再び体育委員会に戻る羽目になっていた。 しかも、委員長はあの「七松先輩」。 性格も口癖も2年前から変わらない。 「滝夜叉丸」 「は?」 「少し、いいか?」 4年生になって初めての体育委員会終了後、長屋に帰ろうとした私は七松先輩に呼び止められた。 「…何でしょう」 「2年前、私はお前を怒らせたよね」 「...そうでしたっけ。もう昔の事なので覚えていません」 「【可愛い】って言ったら、真っ赤になって怒ったじゃないか」 「...忘れました」 「滝夜叉丸」 「私が可愛いって言ったから、馬鹿にしていると思って怒ったんだよね」 七松先輩の言ってる事は正しい。 あの時私は、七松先輩に【可愛い】と言われる事を嫌がった。 けれど、実は理由は一つでない事に、七松先輩は気付いているだろうか? 4年の七松先輩、同じ4年の立花仙蔵先輩と付き合ってるらしいぜ。 えー!あの美人な人と? 男でも綺麗だからなー。アリなのかなぁ、そういうの。
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