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「重要なのは、【男性は精(精液のことではなく気の一種)をもらさずに交わること】、つまり、行為に夢中になってはいけない、という事である。何故だか解るか?竹谷」
「...ええと...、精を込めるとそればかりに夢中になり、周りに気を配れなくなるから、ですか?」
「その通り。我々忍はどんな時でも周囲に気を配り、状況を把握していなくてはならない。何故なら、いつ、どんな場所で自分の命が狙われているか解らないからだ。...という所までは、4年生で習ったな?」
忍術学園では、上級学年になると男女の交わりを必修科目として置いている。
それが以後、忍者の仕事として役立つからだ。
4年生で男子忍たま諸君は【女性を抱く術】というのを習うのだが。
「相手がくの一だろうと町娘だろうと、我々にとっては重要な情報を持っている事がある。それを的確、かつ、悟られず引き出すのに十分な効果を発揮してくれるのが房中術だ。熱に浮かされ、恋しい者の腕の中にいる時、人は無意識に安らぐ。その心情を利用する。さて...」
勿論、4年生から5年生に学年が上がり、まさかまた同じ実習訓練を行う訳ではない。
ちなみに4年次の実習訓練は、情報を持っているくの一を巧みに騙して誘い込み、房中術で情報を聞きだすという内容だった。
(当時合格点を取れたのはほんの6名)
「今回は相手によって【色】を変える実習をする」
「先生、【色】ってなんですか?」
「房中術で【色】と使った場合、これは相手の【性癖】を意味する。つまり、相手に応じて性格もやり方も変えなくてはならないという事だ。鉢屋」
「はい?」
「お前、男は好きか?」
「好き好みがあります」
「そうか。不破、お前はどうだ」
「...えーと、えーと...」
「正直に答えてみろ」
「相手によるかと思いますが...」
「ふむ。それでは二人共、もし小姓を抱くのが趣味の大名の所に忍び込む時、何に変装するのが一番だと思う?」
「小姓ですか」
「その通りだ。外の世界では様々な【性癖】を持つ者がいる。我々はその時、相手にとってどの姿が一番良く、
どんな奉仕の仕方が一番的確なのかを見出さなければならん」
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