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次々と名前が呼ばれ、耳元で相手の名前を知る。
ガッツポーズをとる者、ホッと胸を撫で下ろす者、あからさまに落胆する者、その場で「辞退しますっ!!」と叫んだ者。
「鉢屋」
「はい」
「お前の相手は 」
三郎が呼ばれるのを、雷蔵と八左ェ門が見守った。
三郎が二人の所に戻ると、「どうだった!?」と興味津々である。
「まぁまぁアタリ」
「マジかよ!」
「誰!?」
「秘密☆」
ぺろ、っと舌を出して三郎はおどけた。
「不破」
「は、はい」
先生に呼ばれ、雷蔵がその場を離れた。
「三郎」
「ん?」
「誰なんだよ、相手」
「竹は?」
「...六年の食満先輩」
「...想い人で良かったじゃないか。あれ、竹、俺に喧嘩売ってる?」
「売ってない売ってないッ!!!それより三郎は...」
「六年の潮江先輩」
「...会計委員長の」
「会計委員長の」
「アタリなのかそれ!?」
「実践演習でチーム組んだ事もあるし、知らない相手より楽」
「...強者だお前...。でも、お前ならあの潮江先輩でも難なく相手する想像浮かぶ俺ってどうよ...」
八左ェ門が肩を落とす。
三郎はふふ、と不敵に笑った。
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