星の降る夜

1/1
前へ
/272ページ
次へ

星の降る夜

白い雪とか星屑が 出窓の外にちらついて 数多の数も降り注ぐ 街の夜空に色がつく あなたがいればよかったのに 窓から部屋に入る風 涙に色がついた時 涙は風に変わっていく 景色は知らないうちに移りゆく 僕の心に棲んでいたあなたは 風に吹かれて星となっていった 臆病な程に僕の涙を促し 幻となってくれればいい 微かな星が降る夜に あなたのことを語り継ぐ やがては高く昇る月 明かりを部屋に差し入れる あなたを失うことを知った夜 あなたをめぐる 旅は終わらなくて 季節のように思い出は消えない 完璧な程に出来過ぎている物語 綻びを放っておくのもいい 鮮やかに彩られた街は どこか輝いて 僕のこと照らしているけれど 雪は降り続く 今こそ別れの時が来たのかも 僕の心に棲んでいたあなたは 風に吹かれて星となっていった 臆病な程に僕の涙を促し 幻となってくれればいい 雪や星でも知らないことがある 人が涙を流してしまうこと さよならの意味を深く知っているんだね 三日月の夜は今日も蒼い
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加