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銀髪の男『これで完了ですか?』
辺りにちらばる化け物の残骸を気にせず、静かに男が問い掛けた。
男は目を閉じていて、長い銀髪が時々風に吹かれて舞う。
黒いコートの男『こいつらで依頼完了だな、ってことで報告よろしくー♪』
木の上から陽気な声が辺りに響いた。
今回の依頼は街道の魔物の駆除。
依頼主はこのあたり一体に勢力をのばしつつある商人からだ。
交易発展のためにこの街道を作ったのが災いして住みかを壊された魔物が暴れているらしい。
派手な依頼もないから丁度いいか
銀髪の男『町にこれだけ近いというのになぜこれ程頻繁に出没するのでしょうか?』
本来魔物などは確実な餌場にしか姿を見せないはずだ。
いくら住みかを壊されたとはいえリスクが高い
黒いコートの男『さぁ?繁殖期でも近いとか?どの道俺たちの依頼じゃないし、残業はしない主義だから。』
銀髪の男『・・・・私の考え過ぎならいいんですがね、それと・・』
銀髪の男が片手を上げた。
『残念ながら残業のようです。』
ギィィィと言う泣き声と共に巨大な影が出現した。
黒いコートの男『シャドウ!!中級レベルのモンスターだと!』
そう言い放ち、黒いコートの男が手を前に突きだし空間から二丁銃を“転移”させた。
漆黒のオーラが男を包み、カートリッジから空の弾丸がこぼれた。
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