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彼女に明るい声で名前を呼ばれて振り向いた。
でもそこにあったは、ドロドロした泥の沼。
泥の中から怖い目が僕を睨んでる。
そこから、また名前を呼ばれた。
今度は、低く、くぐもった声で。
「キライキライキライ」
「コッチニコナイデ」
「アタシヲミナイデ」
僕は、フッと頬を緩める。
そして泥沼に手を突っ込んで言った。
「バカだなぁ は。もうそんなとこに居なくたっていいんだよ。」
「君には、僕がいる。」
その瞬間、僕は腕を掴むことが出来た。
そのまま彼女を泥から引きずり出して、抱きとめた。
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