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泥ごと抱きしめる。
というか、これが僕の彼女。
「キライキライキライキライ」
「サワラナイデヨ」
「 ナンカシンジテナイ」
僕はドロドロの彼女の頭を撫でる。
「 …… ……」
「ダイスキ……大好きなの……」
「離さないで」
「私を見て」
「ずっとそばにいてよ」
「愛してるの」
「愛して欲しいの」
「助けて」
「私は私のはずなのに」
「信じたいの」
彼女は、女の子に戻ってた。
泥だらけだけど、女の子に戻ってた。
僕は優しくキスをする。
「ごめんね。僕は人間だから、完璧じゃない。」
「でも、君を本当に愛してる。」
「僕を、信じろ。」
「もうあんなところに落ちちゃだめだよ。」
「例え、君があそこから生まれたのだとしても。」
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