消える

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僕はその日、いつもどおり散歩をしていた。 いつもどおり公園を通り抜けようとしたら、そこに、変なおじさんが立っていたんだ。 メガネで、茶色い帽子に、茶色いマント。 キセルをくわえさせたら、昔の本に出てくる名探偵みたいなかっこしてさ。 顎に手を当てて、思案顔だったんだ。 そのおじさんの前にはさ、綺麗な、ガラスみたいなものでできた、縦型のロッカーみたいなものがあって。 時々、赤と青と黄色の線が走るんだ。 近未来を感じさせる、変なモノ。 僕はラッキーの綱を握ったまま、ボーっとその様子を見てしまった。 危ない人だから関わっちゃいけないと思ったのに、なぜかその人の方へと僕は歩いていた。
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