過剰反動効果

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《平成1X年4月X4日》  眠れないまま、朝を迎えた義人。昨日の水晶玉に映った映像が、頭から離れなかった。今日は、仕事も休みである。 義人「もう一度、あの占い師に会ってみよう…」 ブルルルル・ブルルルルル  携帯が振動した。電車通勤の義人は、ほとんど携帯はマナーモードにしている。 義人「もしもし?」 男「キノウ、ウラナイノヤカタヘイッタナ…」 義人「なぜ!?それを!」 男「ナゼナラ…俺が桜に教えたからだよ~」  電話の相手は『五木 真』中学からの付き合いで、桜と再開するきっかけになった合コンも、彼が企画したのだ。 五木「なぁ~俺、今日バイト休みで暇なんだよ~遊ぼうぜ」 義人(…こいつの差し金か…いきなり、占いなんて変だと思ったが…) 五木「ちょっと?聞いてんのか?ってかノーコメントか、ゴラァ!…冷たいなぁ、あまりの冷たさに…凍死しそうだ。ノーコメント殺人事件だ…」  五木はしゃべり続ける。 義人「用がないなら、切るぞ!またな」  義人は電話を切り、服を着替えて占い師の館へと向かった。 渋谷~渋谷~  電車を降り、昨日通った道を思い出しながら歩く。さんざん迷ったあげく、とうとう占いの館へ辿り着いた。 占いの館 『ピンク・ランサー』 義人(あれ?こんな名前…だったかな…まぁ、いいや。ここに間違えなさそうだしな)  義人は、ドアをノックし続けた。 ドンドンドン!ドンドンドン!  やがて、ドアがゆっくりと開いた。
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