先端恐怖症

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《平成1X年4月X3日》  いつもと同じ電車に乗り、いつもと同じ駅で降りる。いつもと同じ道を歩き、原宿の古着屋『ジュテーム』の三階にある、ドアの前に立つ。 『水木探偵事務所』  男は、ため息を吐いた後、ドアを開けた。 ガチャ…  煙草臭い部屋。狭い部屋のソファーの上に、胎児のように丸まった女が寝ている。  そっと、顔を覗き込む…酒臭い。 男「…辰美さん。辰美さん!起きて下さい!」  しかし、女は目覚めない…男はため息を吐いた。 男「…紅生姜!紅生姜!!紅生姜!!!」 辰美「!?吉●家!?」  女は飛び起きた。 辰美「ふ~焦ったぁ…吉●家で天丼出される夢見たわ…悪夢だ」  辛そうな顔をする女を見ながら、また男はため息を吐いた。  彼女の名は『水木 辰美』(みずき たつみ)水木探偵事務所の所長である。ヘビースモーカーの上に、酒好き。年齢、25歳。身長165㎝・体重不明。サラサラした黒髪は肩にかかるか、かからないか程度の長さ。はた目から見れば、いい女にも見えるが… 辰美「おう!義人。来てたのか…」  辰美は、床に置いていた(?)眼鏡をかけて、服を脱ぎだした。 義人「!?何やってんです!?脱ぐならシャワー室行ってから脱いで下さい!」  ため息ばかりついている男の名は『戸塚 義人』(とづか よしひと)年齢24歳。身長170㎝。辰美とは幼なじみである。水木探偵事務所、たった一人の所員である。 辰美「なぜだ!?貴様は、私の豊満なバストに興味がないと言うのか!!」 義人(…ねぇだろ…豊満と言うより、高慢だ)  義人はまた、ため息を吐いた。
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