先端恐怖症

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 館といっても、単なる小部屋である。薄暗く、ブラックライトの光だけが便りといった感じだ。 桜「すいませ~ん。予約入れていた、春川です。占い師さん、いらっしゃいますか~?」  部屋の奥から、紫色のドレスを着た年齢不詳の女が現われた。 占い師「えっと…『前世占いハッピーコース』の春川様ですね?では、さっそく占いを始めますので、こちらへ…」 桜「あ、すいません。私ではなく、彼を占って欲しいのですが…」 占い師「えっと…まぁ、どうでもいいや…どうぞ、こちらへ…」 義人(…適当だなぁ…まあいいや。適当に済ませよう) 占い師「えっと…部屋の奥に入っていいのは、お一人様だけです。お連れの方は、こちらでお待ち下さい」  義人は、部屋の奥へと誘われた。 占い師「では、さっそく始めます。この、水晶玉を御覧ください。」  義人は水晶玉を覗き込んだ。自分の顔が丸く映る。 占い師「次に、このグラスの水を飲んで下さい。」 義人は、怪しみながらもグラスの水を口に含む。 義人(よく冷えた水だ…結構、美味いな) 占い師「はい!では、本番入ります!ピーーー!」 占い師が急に叫びだした。 義人(ぴ?) 占い師「んーーー!」 義人(ん?) 占い師「クーーー!」 義人(…) 占い師「パンサー!!」 義人(!?)  水晶玉に、映像が浮かび上がった。
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