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「いいか?エルグマニラには聖獣様っていうとっっっても偉大な方達がいるんだ。
東西南北にそれぞれ一体ずつ、いつも俺達エルグマニラの民を見守ってくださってる。
伝記じゃあこのエルグマニラを創ったのも聖獣様ってなってるな。
ただ帝国はかなり後から出来た国だから聖獣様はいないんだ。」
「へぇー、要するに神様仏様って感じか。んでこの馬みたいなのが聖獣様って訳だ。」
俺は再び地図を指差した。
「神様仏様が何かは知らんがそうゆう事。
ちなみにルーフォレストにいる聖獣様はジブラグル、慈愛の聖獣って呼ばれてる。」
俺の脳内では必死に聖獣を想像しているが、どう頑張っても馬に羽が生えてるものしか想像できない。
自分の想像力が恨めしい。
「そんでここからが本題だ。」
レイジが先程までとは違い真剣な顔付きになる。
「まず、カズマ、お前は元いた場所に帰りたいんだな?」
俺はレイジの目を真っすぐ見つめながら頷いた。
「よし。だが俺は残念ながらそんな方法は知らない。だけど知ってそうな奴なら知ってる。」
そこで言葉を切りレイジは俺の反応を伺うように間をあけた。
「勿体ぶらないで教えてくれよ!!こっちは本気なんだって!!」
俺は待ちきれず声を荒げてしまう。
それに対してレイジは微笑しながら口を開く。
「わりぃわりぃ、お前さんの反応が俺の知ってる奴にそっくりでな。
まぁそんな事は置いといて…、はっきり言うとその知ってそうな奴っていうのは聖獣様だ。」
レイジの口から発せられた言葉は、俺の浅い予想とはだいぶ掛け離れた場所をぶっ飛んでいた。
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