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「これはエルグマニラ史伝、史伝ってもやたらいろんな事書いてっから辞書みたいなもんだけどな……ほらここ。」
レイジが示したページに目線を落とす。
―聖獣グリフ
四大聖獣の中の二獣(にじゅう)
北の国ザイオンの首都ヴェルディに位置する神殿を総本山とし、知識の聖獣として知られている。
一説によるとエルグマニラで起こった全ての事象を把握し、それを記憶しているらしく、この大陸エルグマニラにおいてグリフが知らない事はないだろうとされている。
「……これまじ?」
「まじまじ。」
そんなレイジさん…、簡単に言うけどこれって難しいんじゃね?
「このエルグマニラの事はその聖獣様が1番知ってるってこったな。
流石に直で聞くってのは難しいかもしんないけど、ザイオンにはその聖獣様の恩恵を受けてやたらでっかい図書館もあるし、守人の一族とかに会えれば儲けもんじゃないかい?」
「まぁそりゃそうだけど…」
確かにこの話しが本当ならこのままこの村にいるよりは確率が高いのかもしれない。
「だろ!?そうおもうだろ!?、いやぁ話しわかる奴だなカズマは!じゃあ行くだろ!?」
なんだコイツ…いきなりテンションあがりやがって、あれなのか?思春期なのか?…いや関係ないか…。
「…俺としては行きたいけど一人でどうやっていきゃいーんだ?
そこ近いんか?」
「いやむっちゃ遠いぞ、普通に歩いてけば三ヶ月、馬をフル稼働したって一ヶ月はかかるな…」
「三ヶ月!!??…まじかよ…、俺馬なんか乗れねーしな…、車とか飛行機とかねーのかよー…」
もう泣きたいっすよ…
「なんだ飛行機知ってんのか!車はなんだか知らんが飛行機はあるぞ!?」
そう言ったレイジの目がこれ以上ないほど輝いたのを俺は見た。
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