10人が本棚に入れています
本棚に追加
『いってきまーす』
バタン!!
いつもどうりにアパートのドアを閉め、いつもどうりに鞄を持ち学校へと出発。
まったくもってつまらない日常の幕開け。
夏の陽射しは朝から強烈で、思わず手で日光を遮ってしまった。
『…青いっすねぇ……。』
雲一つない青空、空はどこまでも続いて、俺の中で燻っている冒険心をいつもくすぐる。
あ、燕だ。
いいなぁ…。
遠くの空に燕が優雅に飛んでいる。
きっと気持ちいいんだろーなぁ。
理由はないが俺は昔っから空が好きで、いつしか自由に空を飛んでみたいと思うようになり、今でもその気持ちは変わっていない。
そんな俺をまるで気にも留めずにアクロバチックな宙返りをする燕。
はぁ…つまんねーな。
アパートから学校へ向かって俺はとぼとぼと歩きだした。
俺の名前は和田 一眞(ワダカズマ)、毎日毎日つまらない日常を繰り返すだけのしがない高校二年生『だった』。
…何故『だった』のかって?
それはこの日を境に、俺の日常は急変するからさ。
最初のコメントを投稿しよう!