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――……チュンチュン
『くぁ……』
なんだ夢か、それにしてもリアルな夢だったな…。
小鳥の囀りで目を覚ました俺は伸びをすると一瞬目を疑った。
『…どこスカここ。』
明らかに俺の部屋ではない。多分木造のロッジ的な家だろうか、木のベッドに木の椅子、ヌクモリティ満載の部屋に俺は居た。
窓から暖かい日の光りがベッドに降り注ぎ、ものっ凄くいい感じの温度だ。
窓の外をみると再び目を疑った。
『…マジどこスカここ。』
窓の外に広がっていたのは明らかに時代錯誤な村。
道路なんか丸っきりなくてこ高い丘の上に立っているこの家からは畦道が他の木造ヌクモリティハウスへと続いている。
その回りには鬱蒼と生い茂った森が延々と広がっていた。
…まいったな…まだ夢ん中かな…。
ビタン!!ビタンビタン!!
試しに三発ほど顔面をひっぱたいてみたが、この尋常じゃない痛さ、完璧現実だ。
…え~と母様、軽くやばいっすね
『よぉ!!目ぇさましたかい?飯持ってきたから食えよ、家の母さんの飯はうめぇぞ?』
見知らぬ青年がなにやらいい匂いと共に部屋に入ってきた。
『あ!あの……えーと…』
聞きたい事がありすぎて上手く言葉にできない俺…。
ギュルルル…
『なんだ腹減ってんじゃん!俺の名前はレイジ、レイジ=バガルスタ。まぁ食えよ』
こいつわレイジって名前らしい、外人さんか?
てゆーか料理が冷めちまう、お言葉に甘えていただきますかね。
渡されたスプーンでいい匂いがするスープを掬い、口へと運ぶ。
『……うま!?』
いやなんつーか普通にうまい、強烈なお袋の味ってかなんつーか…、とにかく俺は必死に食べ続けた。
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