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連れていかれたのは、さっきの部屋よりも一回りでかい部屋だった。
暖炉やらソファーなんかがあるあたり応接間だろうか。
「ちょっと座って待っててくれ。すぐ戻っから。」
レイジはそう言って部屋から急ぎ足で出て行った。
俺は指示された通りにソファーに腰掛ける。
うほっ!!なんこれ、柔軟剤使ってんのかよ!?ってくらい座り心地がいいソファーに俺は大満足。
…と、いつもならなるハズだが流石に不安やらなんやらでテンションなんか上がるハズもなく俯く俺。
俺マジで帰れんのかな…
母さんとか心配すんだろうな……
俺ん家はシングルマザーで小さい時に父さんを癌で亡くしてから、母さんが女手一つで俺を育ててくれた。
そんな事情だから母さんにとって俺は生き甲斐だと言っても過言ではなかった。
俺がいきなり消えたら母さんはどうなるだろう、正直いい方向には考えられない。
やっぱ絶対に帰んなきゃな…。
まず今大切なのは情報。
俺はまったくここの事がわからない。
頼みの綱のレイジは本当に信じられるのか?
まさか俺をかつごうとしてんのか?
レイジを待っている間、様々な憶測が頭の中を行き交いしていた。
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