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ドアを開けたのは・・
田崎だった。
志乃に抱きついている
俺をみて田崎はかっとしたらしくいきなり突進してきた。
「・・いってえ。」
俺はおもいっきり田崎に突き飛ばされ近くにあったソファーに背中を打った。
「大丈夫か!?志乃!!
てめえ。だれやねん!顔をあげえや!」
怒り狂ってる大阪弁が俺の耳を通りぬける。
顔を上げた瞬間に見たものは
田崎にぴったり寄り添っている志乃の姿・・。
ひどくおびえた目で俺を見ていた。
「剛君!?え??
なしてここにいるんや??
それに・・。どうゆうわけや!!」
田崎は志乃を襲っていたのが
俺だとわかりかなり驚いた様子だった。
「だって剛君と志乃は兄弟やろう?もしかして兄弟のスキンシップやったとか?ごめん。俺、勘違いしてもうた・・。」
田崎の天然!!
俺はそう叫びたかったが
叫べなかった。
もう体に力が入らなかった・・。声さえでない。
「ち、違うよ准君。・・私にもわかんない。」
志乃の声は多分震えていた。
兄のはずの俺に襲われそうになったからだろう。
「ちゃうの?それじゃあどうゆうわけや、
剛君。説明してほしい。」
「・・おまえと志乃。つきあってんの?」
やっと俺のなかから出た言葉はこれだった。
「あ、うん。そう。そうなんや。俺と志乃は2年前くらいからつきあってる。」
2年前??
俺の記憶の中にある志乃とつきあいだしたころじゃねえか!!
どうゆうことだよ!!
わけわかんねえ!!
頭が破裂しそうに痛んだ。
「・・頭いてえ・・。」
アクロバットして落ちた時の瞬間と同じく頭が痛み出した。
こらえきれない頭のいたみに俺は思わず倒れてしまった。
「剛君!剛君!!大丈夫??剛君!!」
田崎の声が遠くなって行く。
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