虐待

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ある日、いつものようにハヤの元へ向かおうとすると、公園の中から、弱々しい鳴き声が聞こえてきた。 「…ハヤ…?」 もしかしたら、と植え込みに目線を写すと、高校生が4人ほど寄ってたかって、ハヤに暴力を振るっていた。 「ハヤあああぁっ!」 ハヤの為に飼ってきた牛乳を放ると、体格の違いも考えずに高校生に飛び付いて、殴った。何も考えず、ただハヤを守りたい一心で何度も殴った。殴られた。蹴った。蹴られた。 感覚さえも麻痺していたのだろうか。痛みを感じる事無く暴れ続けた。 散々殴り合いをして高校生が去っていくのを見ると、一目散にハヤの元に向かった。 「ハヤ…大丈夫か…?」 後からくる痛みに顔を歪ませながら、ぐったりとしているハヤをタオルで包み、走って家に向かった。
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