17.霧の町の幻

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第108番小隊は町の外れにテントを張って陣取ったわけだが、これじゃ護衛じゃなくてピクニックだとウィルは思う。 一応、見張りの担当もあるのだが、それらはもっぱら夜の時間帯だった。 というわけで、ウィルは何をするわけでもなくただ時間を潰していたのだ。 「今帰りましたよー」 じきに、野菜などの食材が詰まった布の袋を抱えたラジが帰ってきた。 後から入ってきたダッツは、ラジの2倍程の荷物を抱えている。 「随分買ったんだな」 ティアが目を丸くして言うと、 「すみません、ここは物価が安くてつい……」 とはにかむラジ。 物価なんて気にしたことのなかったウィルには、イマイチその心理が理解出来なかった。 「良い嫁さんになれるぞ、ラジ」 豪快に笑い飛ばしながらダッツが言うと、ラジは赤くなってもじもじする。 「あ、おやっさんがラジ苛めたー」 「馬鹿なこと言ってんじゃねえ!!」 自分から言ったクセにと、怒鳴りつけられたミトは渋い顔をする。
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