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第108番小隊は町の外れにテントを張って陣取ったわけだが、これじゃ護衛じゃなくてピクニックだとウィルは思う。
一応、見張りの担当もあるのだが、それらはもっぱら夜の時間帯だった。
というわけで、ウィルは何をするわけでもなくただ時間を潰していたのだ。
「今帰りましたよー」
じきに、野菜などの食材が詰まった布の袋を抱えたラジが帰ってきた。
後から入ってきたダッツは、ラジの2倍程の荷物を抱えている。
「随分買ったんだな」
ティアが目を丸くして言うと、
「すみません、ここは物価が安くてつい……」
とはにかむラジ。
物価なんて気にしたことのなかったウィルには、イマイチその心理が理解出来なかった。
「良い嫁さんになれるぞ、ラジ」
豪快に笑い飛ばしながらダッツが言うと、ラジは赤くなってもじもじする。
「あ、おやっさんがラジ苛めたー」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえ!!」
自分から言ったクセにと、怒鳴りつけられたミトは渋い顔をする。
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