4.危ないカンケイ

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「あっ……」 予想外の行動にウィルは石化した。 それから、だんだんと顔が真っ赤になっていく。 後ろでは、ユーゴとリンが衝撃で飛び上がっていた。 「あああああああ!! 何でウィルだけブフッ」 さり気に本音が零れたユーゴだったが、そこはすかさず飛び出したリンの肘鉄に黙らされた。 「い、いけないんだよっ! とにかくそういうことはいけないんだよっ!!」 動揺を隠しきれずに、リンはわなわなと震える手でアリシアを指差す。 アリシアは余裕たっぷりに、さらりと後ろ髪をかき上げてあか言った。 「あら、貴族の間ではこれくらいの挨拶普通だよ。お子ちゃまなんだから」 またもや小馬鹿にしたような態度を取られ、リンは地団太を踏んで怒りを露わにする。 「こ、このはれんち女ぁ!!」 リンの絶叫はエコーがかかる程の勢いで裏山に響き渡り、アリシアは苦笑していた。 ウィルはまだ石化したままだったが、案外特訓も悪くないものだと内心思っているのだった。
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