5.開戦!?マジカルロワイヤル

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ウィルはその場に立ち尽くしていた。 心が焦げつきそうな程の憎悪が湧いてくる。 気を抜けば、振り返ってリオーヌに袋を叩きつけてしまいそうだった。 いや、それもいいかもしれない、とウィルは考える。 いっそのこと、後ろから殴り倒して、ボコボコにしてしまえば。 何もかもを粉々に壊してしまえば、全てすっきりするかもしれない。 親子関係だって、二度と触れられなくなる程粉々に―― 「いや、駄目だ」 ウィルは声に出して呟いた。 そうでもしないと、憎しみに飲まれてしまいそうだったのだ。 ここで暴れまわってみたって、結局は自分が惨めになるだけ。 何もいいことなどないのだ。 そうやって未来のことを考えることで、ウィルは自分のささくれ立った心を静めていった。 一方で、未来を省みない程馬鹿になれたらいいのに、とも思っていたが。 ウィルは何も言わずに家を飛び出していく。 母であるリオーヌと触れ合う度に、ウィルの心はいつもグチャグチャにかき乱されていた。
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