5.開戦!?マジカルロワイヤル

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気持ちの整理もつかないまま、ウィルがやって来たのは町の外れだった。 小高い丘のふもとにあるボロっちい家が、ウィルの目的地である。 「おーい、ユーゴ」 庭に入り、ウィルは玄関の扉をノックする。 すぐにユーゴと、数人のちびっ子達が家の中から出て来た。 「あ、ウィル」 「ほら、これ。余った野菜とかだよ」 ユーゴが袋を受け取ると、後ろのちびっ子達はキャッキャとはしゃぎだした。 「ありがとうウィル兄ちゃん!」 「今夜はごちそうだ!」 無邪気にはしゃぐちびっ子達を見て、ウィルは少し胸が痛んだ。 こんなクズゴミみたいな野菜と果物がごちそうなんて、ウィルには考えられない話なのだ。 「いつも悪いね、ウィル。あがってく? 今はシスターいないけど……」 「いや、いいよ」 せっかくの誘いだったが、ウィルは断っておいた。 今は遊ぶ気分になれなかったのだ。 ここは、ユーゴの住んでいる孤児院である。image=197020363.jpg
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