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「待ってください、お話が――」
「ローズ様」
ローズの行いをはしたないと思いつつ、セバスはローズの肩に手を置いた。
「また、チャンスがありますって」
セバスに励まされ、ローズはううと唸りながらしゃがみ込んでしまう。
これは立ち直るまで時間がかかりそうだと、セバスはポリポリと頬を掻いていた。
――そんな光景を見下ろしつつ、プティは空を駆け巡っていく。
「ハハ、たまにはこうして人間達を驚かすのも悪くないの。どれ、少し飛ばしてみるのじゃ」
「おい、お前――」
テッドの抗議は言葉にならなかった。
グンと加速したプティに、テッドは慌てて背中にしがみつかざるを得ない。
ウィルはすっかりグロッキーになって、為すがままになっていた。
そうして、プティはアーサリス大陸中を駆け巡っていく。
あるところでは、旅を始めたアリシア達に見つかり。
またあるところでは、修行中のシギーとヴェグに目撃される。
ラティニアでは、第108番小隊を始めとした軍隊が動くはめになっていた。
そして、そんな騒ぎの中とある家では。
「……ドラゴンに乗った王子様?」
安静中ということでベッドに横になっていたリンが、窓から見えた奇怪な光景に首を傾げていた。
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