40.epilogue

22/23
30938人が本棚に入れています
本棚に追加
/1572ページ
「待ってください、お話が――」 「ローズ様」 ローズの行いをはしたないと思いつつ、セバスはローズの肩に手を置いた。 「また、チャンスがありますって」 セバスに励まされ、ローズはううと唸りながらしゃがみ込んでしまう。 これは立ち直るまで時間がかかりそうだと、セバスはポリポリと頬を掻いていた。 ――そんな光景を見下ろしつつ、プティは空を駆け巡っていく。 「ハハ、たまにはこうして人間達を驚かすのも悪くないの。どれ、少し飛ばしてみるのじゃ」 「おい、お前――」 テッドの抗議は言葉にならなかった。 グンと加速したプティに、テッドは慌てて背中にしがみつかざるを得ない。 ウィルはすっかりグロッキーになって、為すがままになっていた。 そうして、プティはアーサリス大陸中を駆け巡っていく。 あるところでは、旅を始めたアリシア達に見つかり。 またあるところでは、修行中のシギーとヴェグに目撃される。 ラティニアでは、第108番小隊を始めとした軍隊が動くはめになっていた。 そして、そんな騒ぎの中とある家では。 「……ドラゴンに乗った王子様?」 安静中ということでベッドに横になっていたリンが、窓から見えた奇怪な光景に首を傾げていた。
/1572ページ

最初のコメントを投稿しよう!