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「――ふあーあ、飽きた」
ウィルはテントの中でゴロゴロしていた。
その姿に、ティアはやれやれと呆れかえってしまう。
ここはトルケッタ、前線の近くにあるラティニア領内の町である。
ラティニア軍はここを一つの拠点としていて、ウィル達第108番小隊は演習も兼ねてトルケッタの防衛に参加していたのだ。
つまり防衛自体は正式な部隊がやっていて、第108番小隊はあくまで補佐的な役割なのである。
「だったらウィル、町でも見に行けばいいじゃねえか」
テントの中で剣を磨いていたミトが言ったが、ウィルは首を横に振る。
「さっきも行ったばかりだよ。何にも無いんだもんココ」
トルケッタは山のふもとの盆地に作られた町であり、簡素なつくりで娯楽などはほとんど無いのである。
あまりに暇なので、ウィルは既に町中を数周してしまっていた。
ちなみにラジは食材の調達に、ダッツはその付き添いに行っていた。
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