最終章 永遠の星屑

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もう。嘘はつけない。 もう、これから何が起ころうとも杏子を離したりしない。離れない。杏子が目を閉じて、俺の腰を掴むと、俺はそんな杏子の唇を何度も何度も塞いだ。 キョウ、愛してる。 誰よりも、愛してる。 二度と、兄妹だから、と言って諦めたりしない。もう二度と、杏子を苦しめないよ。 唇が少しだけ離れると、俺と杏子はすぐ近くで見つめあって同時に笑い合った。 この選択が、正しかったのか、間違っていたのかは、分からない。 だが、第三者からすると、恐らく後者だろう。でもどんな結末になろうとも、俺たちは決して離れたりしない。この日から俺たちは、もう二度と「兄妹だから」なんて思うことはなくなったんだ。 お互いに流れている血さえも、愛しかった。
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