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―夢で、あって欲しい…
ラボォスにやられ、マールとルッカは横たわっており、あの魔王さえも、ラボォスにやられる羽目になってしまった。
「クロノ…!サラさんと一緒に逃げてッ…!」
「これじゃぁ身が持たないわッ…!」
それじゃぁ、俺は何の為に此処に来た?
俺は皆を守る様に、傷付いた体を動かし、ラボォスの前に立ちはだかる。
「ほぅ、まだ戦おうとするのか。その傷付いた身体で。」
「例え傷付いた身体でも、真っ直ぐ前に進むってアイツと約束したんだ!だから、ラボォスは此処で倒す!!」
刀をスッとラボォスに向かって前に突き出す。
「ククッ、ならば死ぬが良い!虫けらごときにラボォス神様に敵う筈無いのだからなッ!!!」
ギャォオオォォスッ!!
ラボォスは力を溜め、一閃の大きな光が俺を襲う。
だけど、俺に当たる直前に誰かが、俺を突き飛ばす。
「―ッッ?!!」
突き飛ばされた俺はバッと顔を上げる。
だけど、フードで隠されていた顔が露になって一瞬だけ、俺に微笑みを向けた時には、その微笑みが一瞬にして消え去った。
―さっき……見せた…笑顔は………
「…ア……イ…ル……」
ラボォスの攻撃に当たる直前に、彼女は俺を突き飛ばし、俺の身代わりに彼女はラボォスの白い大きな光に飲み込まれ、微笑みと共に消えた。
あの一瞬だけ見せた、微笑みは何も変わらず、俺に笑って見せた。
――…ごめんな、クロノ…―ー
もう一度…
(もぅ二度と見れない、愛しい彼女の笑顔)
end..
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