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「クアってさ、両親とか居ないの?」
『……エ?』
セルジュの発言に?を浮かばす少女クア。
―――――……
「――親が居ない発言をしたセルジュを殴り飛ばしただとぉ?」
『うん。』
ニッコニコと爽やかに笑う目の前のクアに対してはぁ…と溜め息を吐くキッド。
「あのなぁ……お前の殴りは普通の人間にきっついんだよ!」
『別に普通の人にはしないよ~…セルジュじゃあるまいし。』
「クアにとってセルジュはどんな奴何だよ。」
『うざい奴。』
「………。」
たった一言にキッドは口を開けなかった。
――――~~~
『両親…かぁ…。』
ルッカお姉ちゃんから聞いただけだけど、母さんボクを産んで数ヵ月後に父さんと一緒にふっと居なくなってしまったらしい。
その後は詳しく教えてもらえなかったっけ。
でもたった一つだけ、ルッカお姉ちゃんが大切にしている写真に、母さんと父さんが写っている写真を見せてくれた。
写っている写真は、ボクが産まれるずっと前の両親の姿。
何で居なくなったかは知らない。
置いて行かないで欲しかった。
居なくなる前に、ボクを連れて行って欲しかった。
――ギィ…
『…っ!』
突然部屋の扉が開く音にハッと気付き、霞む目を急いで拭く。
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