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―ーヴゥン
「!?<<クロノ・トリガー時の卵>>、あの時の時間に戻って来たのか?!」
「皆…時間が止まってる…」
「不気味な所だな…さっさとその無茶な事をした馬鹿を連れて帰るぞ」
ルアクの視線を追うと、あの時俺を庇った彼女が白い光に当たる直前で止まっている。
俺は、アイルのドッペルをすり替え、時が止まってる方のアイルが倒れ、ドッペルの方のアイルは、俺の胸にゆっくり倒れ込む。
そして、アイルは真っ白い光に包まれながら、ゆっくり落ちて行き、一本の木に顔を俯いたまま背を木におり掛かる。
「アイル……アイル!本当に生きてるよね!?」
「アイル…」
木におり掛かっている彼女の手が、ピクリと動いた。
そして…
『――ぅ…ん…クロ…ノ…?』
スッとゆっくり瞼を開き、近くに居た俺の顔を見て、名を呼んだ。
その瞬間に、俺は彼女を抱き締めた。
『ごめ…ん…勝手に…死んで……』
「分かったから、もぅ、俺の傍から…離れるなよ…」
『…うぅ…ヒック、ク、ロ…ノ……ぅあああぁああぁ…!』
闇と光
(泣き叫ぶ彼女を壊さない様に優しく抱き締めた)
(二度と愛しい彼女を手放さない)
end..
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