交わらない心

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交わらない心

2週間と言う期限はつけたものの、顔を合わせず通すっていうのは無理がある。 約束を交わしてから3日…学校にロクに出てこなかったアイツは、毎日来てるんだもん。授業をサボろうにも、常に見られてたら身動き取れない。 そんなことを考えながら、ぼぉーっと窓の外を眺めてる時だった。 「あの…工藤さん、頼みたいことがあるの」 「ん…私に出来ることなら」 クラスメイトの問いかけに微笑んで応える。 「あの…彼に、えっと……黒羽くんに渡して欲しいの」 可愛い封筒を差し出すクラスメイト。 よりによって…アイツ宛。私はどの選択肢を選んだら関わらずに済むか…。 封筒を受け取らずに、微笑んで相手を見る。 「聞いてあげたいところだけど…こーゆーのは自分で渡さなきゃ、伝わらないよ?」 「でも…最近の彼、工藤さんからじゃなきゃ受け取ってくれない気がするし…」 「そんなこと無いと思うけどな。私が行っても受け取って貰えない可能性あるだろうし…そーゆー結果になったとしたら、自分で動いた方がスッキリするんじゃない?」 伺うように尋ねてみる。 「そうかも…工藤さんのおかげで、自分で出来そう。ありがとね?」 若干明るくなった表情に「頑張ってね」と背中を見送ると、軽く溜め息をついた。 ピンチを切り抜けた安心と…まだまだ、こんな状況が続くっていう…何とも言えない微妙な心境…。 再び、外を眺め始めた瞬間…頭上から降ってきたのは別の声。 「受け取ってやれば良かったのに。美琴が持ってきたら、手紙受けとるより抱き締めてやったのになぁ」 「……最低。だから、信用出来ないのよ。同じ空気吸ってるだけで腹立つ」 そう言い放つと席を立って教室を出た。
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