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屋上にあるベンチに横になり、五月蠅い…ウザィ奴等からの解放感に浸り、目を閉じた。
少しすると、屋上の扉が勢いよく開けられた。
オレがいるベンチは給水塔で丁度死角になる所なので、特に気にしない。
足音はだんだん遠ざかり、端まで行ったと思われると今度は近付いて来た。けれどそのまま通り過ぎる。
少しするとオレの所に走って来たのが音と気配でわかった。
篠「哲くん……」
幸華の声がしたので、飛び起きた。
彼女は息も切れ切れに、目にはうっすらと涙を浮かべていた。
篠「哲くん……ぁの…ごめ…なさ…ぃ」
オレ「なにが?」
走って探してくれたのであろうと言う喜びを隠しつつわざと冷たく振る舞う。
篠「こんな風になるなんて思わなくて…樹原さんに頼んじゃって…」
オレ「べつに…オレはバレようと構わないし、幸華がいじめられるのを我慢すればいいだけだし、どうでもぃぃょ」
篠「ね、哲くん……教室、帰ろ?」
オレ「やだ。面倒臭い。オレが今日教室に戻るのは帰宅する時だけだ」
これはオレの本音だった。これについては冷たかろうとそんなの関係ねぇ。
篠「じゃぁ…哲くんが教室戻って授業受けるって言う迄ぁたしもここにいる」
オレ「勝手にしてろ」
幸華にぶつからないように寝る。
篠「……ぉぃで?」
幸華が自分の膝をポンポンと叩きながら言った。これは『膝枕』の合図。
オレ「仕方なぃなぁ……」
嬉しくて…恥ずかしいのを隠しながら膝枕をしてもらう。
顔から火が出ているように熱い…きっと真赤になってる///。
それからは交わす言葉も無く過ごした。
彼女がオレの頭を撫でながら……。
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