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「あ…やっぱり…」
カレンダーを目で追っていた陽朔の表情が、ある日にちを確認して途端に険しくなった。
「火曜日って24日だ…」
年の瀬迫る12月22日、日曜日。
珍しくバイトも用事もない休日に安眠中の陽朔を叩き起こしたのは、昼下がりといってももう夕方近くにかかってきた一本の電話だった。
「陽朔?私よ。よかった捕まって。あのね、どうしても急なお願いがあるのよ。」
切羽詰まった葵の声に、何事かと話を聞くと、今度の火曜日に彼女の友人がやっている店を手伝って欲しいということで。
『他に誰もいないのよ』
と哀願する彼女に、人からものを頼まれるのが弱い陽朔は、寝起きでぼうっとしていたこともあり、二つ返事でOKしてしまったのだ。
その日は、他に大事な用があることも忘れて…。
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