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──ピピピッピピピッ、
規則正しいリズムを刻んで目覚まし時計が鳴りはじめた。
「……ん。」
──ピピピッピピピッ、
あー…煩い。
そうは思っても自動的に止む事はなく、目覚ましは鳴り続けていた。
仕方なく手を伸ばして、目覚ましが在るであろう場所を思い切り叩いた。
目覚ましは止んだが、そのかわりに“パリン”という破壊音がした。
「あ、やば。」
また目覚まし時計を壊してしまったようだ。いつも思うが、どうやったら加減良く目覚ましを叩けるのだろうか。
ダルい体を起こし、ボヤける視界の中から枕元の眼鏡を取り掛けてみると無惨に破壊された時計が確認出来た。
可哀想に。そんな姿になってしまって。自分でやったんだけど。
「よいしょ…と。」
「れェェェ──────んん─────!」
ベットから降りると同時に母さんの雄叫びが一階から聞こえてきた。いつも聞こえるが、今日は一段と野生化していた。
───バンッ!
凄まじい足音の後、部屋のドアが壊れそうな勢いで開いた。
「母さん、ドアは静かに開け「ちょっと、蓮!」
話してる最中に叫ばれ、朝ということもあり苛々が増したがここは我慢だ。
「………何?」
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