Ⅰ.Morning

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なんていうか、俺がアイドルのオーディションとかの書類審査受かる筈がない。 こんなボサ毛(癖毛に寝癖が加算された髪の毛)で、眼鏡。顔もスペシャルに悪い。 ボサ毛は俺が面倒だからって整えないだけだけなんだけど。 学校に行けば、「キモい」などの暴言を直接ではないが吐かれる事が多々ある。 余程見た目が悪い証拠だ。 「れぇ──ん──!」 下からまた雄叫びが聞こえた。ミュージカルかなんかを自分の中でやっているんだろうか。 「あー…はいはい。」 仕方なく着替える事にした。今日は暑いし、ラフにタンクトップにジーパンにしよう。いや、選ぶ程服を持っていないのでそれしかない。 着替えを済まして階段を下りリビングの扉を開けた。 「お待たせ……。」 リビングに入ると男用のワックスを手に、こちらを見ている母さんが居た。 「ここに座って?」 「……はいはい。」 言われた通りソファに座ると、髪を整えはじめた。 いつもより視界が広くなるのが分かった。いつも前髪垂らしたままだったからかもしれない。 ─────────… 「よし、完璧♪」 自信満々の声をあげ、母さんは腰に手を置いた。 .
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