Ⅹ.SchoolFestival

5/9
前へ
/99ページ
次へ
ステージを駆け上がると歓声が沸き起こった。 スタジオとは違い、遠くにまで響く歓声は、俺たちを感動させた。 観客エリアには、この学園のシンプルなデザインの制服を着た人や他校の生徒、学生以外の人も、お互いに隙間が無いくらいに立ち見していた。 それが随分と広い範囲で続いている。 ルイ「ヘイヘイヘイヘーイ!」 竜「YOYOYOYO!」 何を言いたいのか分からないが、リーダーのルイとテンションの上がってきた竜は、ステージの端から端へ繰り返し走りお客さんを更に盛り上げている。 テンションに乗っていけない俺とのんびりな李玖は、ただそれを同じステージの少し奥へ下がった位置から眺めていた。 ルイ「さぁ、始まりました!R4初ライブ!」 竜「僕達のために来てくれた皆も、この学園祭ついでに見に来てくれた皆も!今日は思いっきり楽しんでいって下さい!」 走るのを止め、マイクに食らい付く様に2人は叫んだ。 それに影響されたのか、前列のお客さんはぴょんぴょんと飛び跳ねながら歓声を上げる。 ルイ「……え~と、今日歌う曲は2曲しか無いんですが、まずは!格好良く弾くRENのピアノに合わせて歌うこの曲。聞いて下さい───『LONELY ROSE』。」 ルイの短めな説明の間に、それぞれ歌に入れるように位置につく。 俺はステージ上の端にセットされた高そうな白いピアノの方へ行き、スタンバイする。 白いピアノはわざわざライブのために社長が用意してくれた物だ。 ルイも説明が終わると、歌に入れるように位置につく。 皆とアイコンタクトをとると、静かにピアノの音を響かせた。 .
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3540人が本棚に入れています
本棚に追加