鳴子坂の幽霊屋敷

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みんなが家の前に集まっている。私たちも家の方へと向かう。 「チャイム押してみようぜ」と誰かが言った。 「お前押せよ」 「嫌だよ」 「ジャンケンな」 「最初はグー」 「ジャンケンほい。あいこでしょっ! っしゃー!」 「うわっ負けた!」 負けた方が恐る恐るチャイムを押した。 ピンポンと家の中から小さな音が聞こえて皆石垣に隠れた。 「音鳴った」 「誰か住んでる?」 「そりゃないだろ」 しばらくジッと身を潜めていたが、誰も出てくる気配はない。 「よぉし俺も」と勝った方が言い、チャイムを連打した。 ピンポピンポピピンポピンポ はははっとクラスの皆が笑う。私はふと二階のチイちゃんが指差した窓を見てみた。ガタッ。一瞬シャッターが揺れた気がした。  
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