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別れ
水の都サラディニア。
美しく気高く、そして慈悲深い水の女神の祝福をうけた赤の街。
美しく穏やかな流れにのって聞こえるのは、悲しげな娘の歌う声。
サムザ・マーン著の『歴史によれば、当時サラディニアは香辛料貿易と奴隷貿易で栄えていた。
この歌に登場する少女は、戦災で孤児になったのだろう。
彼女のような子供達は、奴隷として売られるか、貴族の愛玩品になるか、飢え死にするかしかなかった。
戦争の上に成り立つ経済が、戦争行為そのものよりも下劣なものであることをサラディニアの歴史は示しているとも言える。
ファルターヌ(百科全書)の一節。
歴史学者モール・ベンの文章。
ファルターヌはサラディニアの滅亡から三百年が過ぎた頃、動乱の時代に編集された。
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