紅(れん)

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紅(れん)

「ねぇ、こっちで遊んでってよ」 「お兄さん、良い男やない?ウチと遊ばん?」 赤い策か檻か……そん中 で女は誰かに呼ばれるんを待ってたり……自分から適当に呼んだり…… まぁ、私には関係もないことや。私に落ちない男なんておらんのやからなぁ 「……おい、お前」 「はい?」 来よった……私はただ座っとるだけで声かけられるんやからね 「お前、名は?」 顔立ちは良いお侍さん……ものすごいにっこり顔なんが気になるけど。目が細いだけやろか? 「名はなんと言う?」 「……遊びに来やったら教えてもええよ」 私も微笑み返して言う。 よっしゃ、今日はこん人やな…… と、思っていたら 「……ほうか、それじゃあまたな」 店にも入らんと去っていってしもた…… なんやの?私に落ちない男がこの世におったってこと? 「紅(れん)さん、お客さんお座敷入ったで」 「はい」 納得いかん!!
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