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うんとちいさいころから、私は習慣の様に図書館に通っていた。
母に手をとられ、片手に絵本。
重いから、転ぶから…と母は子供には大きすぎる荷物を持ってあげる、と何度も言ったのだけれど、頑固な私は、絶対に自分で!!…と言ってきかなかったそうだ。
それで裁縫好きの母は、絵本を運べるように、と鞄を作ってくれた。
絵本に出て来るうさぎの刺繍までしてあって、子供の癖に渇いた好みをしていた私はそれがあまり気に入らなかった覚えがあるけれど、だけど母の誇らしげな顔が可愛らしくて、その鞄は長年の愛用となったんだった。
母が鞄を携えた私の手を引いて、図書館の扉をひらく。
…沈黙には重さがあることを知っているだろうか。
扉が開いた瞬間に、その重さは一気に私に向かって押し寄せてくる。
小さな子供というだけで、大人は私を迷惑そうな目で値踏みする。
きっとその重さなんだろう。
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