天使の存在と人生の転機

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  「ん………」   ふと目が覚め時計を見てみる。   「…へ!?」   時計の短針はもう夜中の2時を指していた。   「寝過ぎた…。散歩しようかな?」   少しバカな話しだか俺はたまに夜になると風を浴びたいが為にいちいち散歩に出かける。 足音をたてないように階段をいつものスニーカーを履き玄関を開ける。   「ん…?何だか今日は風がいつもと違うような……気のせいか?」   今は満開の桜がはらはらと散りゆく季節だからいつもなら少しばかり暖かい風が吹いているはずなのに、今日は何だか…優しい感じで心地よい風が俺の体をすり抜ける。   「こんな風は初めてだ。」   歩くこと10分………。   「ふぅ…今日はちょっと遅くなってごめんな。」   ちょっと街外れにある桜並木の一本に話しかける俺はここの常連だ。 桜の花が咲いていようが咲いてなかろうが散歩すると必ず立ち止まり桜の木達に話しかけている。 周りから見ればただの変な人にしか見えないが俺にとってそんなのはどうでもいい。 俺にとって桜は封印した想いの鍵だからこそ大切にしたいものなんだ。 これが唯一の瞳月との想い出だから……。   「さてそろそろ帰ろうかな~?」   桜の根本で座っていた俺は立ち上がり家に帰ろうとした     が…………     ふと振り向いた俺の目の前に現れた髪の長い女の子…       そう…そこに現れたのはあの日交通事故で死んだはずの……   「し、瞳月……………!?」     現れた天使によって俺の人生の転機が訪れようとはこの時知るよしもなかった。  
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