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第一章 応援
2008年の夏は最高に暑かった。
それは地球温暖化だけのせいじゃ無かった
繭の高校の野球部が埼玉南部大会を勝ち抜き、とうとう準決勝まで来たからだ。
桶川中央高校野球部は創部2年目に、何と甲子園に行った県立高校で超有名になった。
しかしそれ以来23年一度もベスト8にも入れずにいた。
そんな高校が今大会、台風の目になっていた。
繭の幼なじみの大樹が投手に転向したからだ。
「大樹。調子どう?ちゃんと体休めてる?」
繭は自分のベッドに寝ころびながら携帯で話していた。
「繭が心配してくれるなんて、明日雨かな?」
大笑いしている声が繭の携帯の向こうで聞こえた。
繭はベッドの壁をドンと蹴った。
「痛ていな~本が落ちて当たったろ~」
そう繭と大樹は同じ団地内の隣り合わせ。
だから古くなったコンクリートの壁はよく響くのである。
「準決勝には応援に来るんだろ?」
「生徒全員出席だって担任言ってたから、仕方ないから行ってやるよ。」
「じゃあ繭もミニスカートで応援すんかい?」
「まさか~チアリー部だけでしょ。」
「ああ良かった。繭のミニは犯罪だからな~」
繭はもう一発壁に蹴りを入れた。
『長澤ますみに似てるって言われた事があるんだぞ!』
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