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そうは言っても、実際応援団席に座るとテンションは最高潮に達する。
準決勝も終盤8回に差し掛かった。
両校0対0の投手戦になった。
桶川中央高校(繭の通う高校)の攻撃で2アウトながら、ランナー2塁3塁。
一打出れば決勝点になるだろう。
しかもバッターは大樹とくれば、繭でなくても心臓バクバクになるのは必定。
なのに大樹はと言うと、観客席にいる繭におどけながらバッターボックスに入った。
「繭の彼氏って最高!」
由美が繭の横っ腹を肘でつつく。
「彼氏じゃないから。ただの幼なじみ!」
繭は口を尖らせて、由美に抗議をする。
カキーン!
『ミャーン!』
「エッ?」
繭はシートの下を覗き込んだ。
『ミャー』
「由美!子猫がいる!」
「繭!そんな事より、大樹が2塁打!
エッ?猫?」
二人してシートの下を覗き込んだ。
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