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繭はそっと子猫をつまみあげ
「仔猫ちゃん。あなた迷子なの?」
と尋ねてみた。
『ミャー』
「あはは。返事した、この猫。繭、この猫超かわゆくない?」
繭と由美は試合そっちのけで子猫をかまっている。
その時、大樹は2塁ベース上でカッツポーズして繭の方を振り返る。
そして、繭達が何かに夢中になって、自分のプレイを見てなかった事に気づいた。
「繭の奴、なに持ってるんだ?」
大樹はつい気になってベースを離れてしまった。
「アウト~!」
ピッチャーの牽制球にまったく気付かなく、大樹はアウトにされてしまった。
『あ~あ』
ため息とも悲鳴ともつかない声が、自分の学校の応援団席から湧き上がる。
相手チームからは、拍手と嘲笑を貰ってしまった。
大樹はヘルメットをグランドに叩きつけた。
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