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試合は大樹のミスがあったものの、やはり8回の得点が効いて勝利した。
大樹達野球部員は先にスクールバスで学校に戻って行った。
繭と由美は球場の外でしばらく子猫と遊びながら、その飼い主を待っていた。
ダンボール紙に『薄茶色の子猫預かってます!』と書いたが、殆どの通行人は気にもとめずに素通りして行った。
「繭。やっぱしこの子猫捨てられたんじゃない?」
「え~?こんなに可愛いのに?」
「この子猫なんていう猫だろう?」
由美は子猫を両手に抱きながら尋ねた。
「前飼ってた猫と似てるから、きっと三毛猫じゃないかな?」
繭は売店で買ってきた牛乳を、左手の平に数滴出しては子猫に与えた。
「ねえ子猫ちゃん。うちの子になる?」
繭は右手で子猫の背中をなぜながら聞いた。
『ミャーン』
「ねえ由美!ほら答えたよ。うちの子になるって!」
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