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ワタルは、目の前に現れた美女に、どう接して良いか分からずに、ただ目を泳がせていた。
ハッと我に返った女性が問いかけて来た。
「アナタがオサムの友達?珍しいタイプだわね。ところで、オサムはどこかしら?」
そう言いながら女性は部屋を見渡し、続けて言った。
「アナタ達、タバコ吸ってたんだね。オサム、隠れていないで出ておいで!」
バレては仕方ないとばかりに、オサムは部屋に戻って来た。
「アンタ馬鹿だねぇ…。アンタがタバコ吸ってる事ぐらい家族全員が知ってるんだから。見てて滑稽だよ。」
歯に衣着せぬ喋りで、オサムをたじろがせる美女…。
一体何者なのだろう…。
「ムッチー、もう勘弁してくれ。オレが悪かった!」
オサムも一目置く女性はムッチーと言うらしい。
「コイツはオレの学校のダチで、オサムってんだ」
オサムはムッチーに紹介され、改めて会釈した。
「アンタの友達にしちゃあスレていなくて、珍しいタイプだね」
オサムの友達と言えば、ブラバスやエロイカのポマードでリーゼントを光らせているタイプが主流だからだろう。
良い意味か、悪い意味か分からないけど、ムッチーに感心されたワタルであった。
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