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ある少年が放課後、学校からの帰り道を歩いていると、大きな風呂敷を背負った老婆に出会った。
老婆はニヤニヤと薄気味の悪い笑みを浮かべながら少年に近づき
「足はいらんかね?」
と尋ねてきた。少年が戸惑っていると、老婆はさらに身を乗り出して少年の顔を覗き込み、もう一度同じ質問を繰り返した。
「なぁ、ぼく。足はいらんかね?」
まさか、あの背負った風呂敷の中に人間の足が入っているのかな?
少年は恐怖におびえ、こう尋ねた。
「な、なんの足を売ってるの?」
老婆はニヤニヤ笑うだけで答えない。
少年は震えながらこう叫んだ。
「いらない。ぼく、足なんていらないよ!」
次の瞬間、少年の悲鳴が夕方の通りに響き渡った。
驚いた人々が駆けつけると、そこには右足を失った少年が、大量の血を流して倒れていた。
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