2660人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
警告
四人の若者を乗せた車が峠の道を走っていた。
道は急カーブの連続で、少し気を抜けば事故を起こしてしまいそうだ。
すると突然、車の前に血まみれの女性が飛び出してきた。驚いて運転席の若者は急ブレーキをかけた。
車は女の脇を抜け、大きくスリップして停止した。彼らはおそるおそる外を見たが……。
そこに今の女の姿はない。さらに驚いたことに、車はちょうど崖に乗り出すような格好で止まっている。
あと少しブレーキを踏むのが遅ければ車は崖から転落していたであろう。
今の女はここで死んだ女性の霊で、自分たちのことを助けてくれたのだ……。
そう考えた彼らは崖のほうに向かい、
「助けてくれてありがとうございます」
と手を合わせて女性の成仏を祈った。
すると彼らの耳もとで、低い女のつぶやき声が聞こえた。
「死ねばよかったのに」
最初のコメントを投稿しよう！