第1章 他人なんか、もう信じない

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 ふん。中々面白い人間だったな。 まぁ、待ってろと言われたが、本気で俺に言葉が通じると思っていたのか? 間抜けな女だ。さよなら。彼女の未来が待ってんだ。 帰りに、コンビニに寄って行こう。 俺は、軽快な足取りで歩く。 人間のように足音など出さない。 足跡は残すがな。肉玉形の。 ネットでも使われていたな。 前の飼い主が、「👣ありがと」とか伝言板に書いてやがった。 俺が足跡をつけたら怒ったくせに。 猫差別だ。人間に、足跡を付けられると喜び、猫だと怒る。 世の中は、実に不条理にできている。 後期高齢者医療制度のように。
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