第1章 他人なんか、もう信じない

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 コンビニに向かう途中で、電器屋さんの大きな窓から見えるテレビが気になって俺は足を止めた。 いつもの様に、バス停のベンチに飛び乗り、視線を高くしてテレビを見つめた。  たまに、前の飼い主が寝ている隙に、リモコンを前足で踏み、チャネルを政治番組に切り替えたり、深夜アニメを見たりしていたから、猫なのに時世に詳しいのだ。 政治改革で、人格養護法案より、動物養護法案を作ってほしい。 その前に、官僚依存からの脱却と、特別会計の大幅な見直し、改善、スリム化。天下りの連中は、特別会計からは一切金を出さない。 天下り連中は、全員民間に行かせればいい。 国民より優秀であるのに、給料が安いから、天下りは当然の権利とテレビの前で言った官僚様なら、さぞ出世できるだろうから。 国民の為に使う税金は、全体の僅か20%。 我々は、更に不遇な扱いと言えるだろう。 何故なら、猫なのだからニャ。
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