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「おぉーい、レンシー、ちょとこーい」。
お、なんだなんだぁ?
王様こと俺様の父親、『レックス-トウシ』が直々に俺様を呼んでるぜ。
それじゃ、行ってくるか。
………とかなんとか誰に話し掛けてんだか、なんとなく挙動不審な彼が『レックス-レンシ』君。
なんとなんとこの物語りの主人公、しかも王家の息子!……って、それはさっき自分でいってたか……。
それより話しを進めましょう。
レンシは遠くからの声に父親のもとへ急いだ。
「おーう、オヤジ、何のようだぁ?」
声の主をさがすが見当たらない。と、いきなりガツンッ!!
「ッてぇ!?」
レンシは唐突に訪れた脳天への衝撃に、一瞬光りの世界につつまれた。
「オヤジじゃねぇ、父上、父様、お父さん、もしくはパパと呼ばないか!」
真後ろには髭を貯えた貫禄のある大男が立っている。トウシである。深い蒼い長髪に、それと同じ色の瞳は王家の証。もちろんレンシもだ。
「いきなり何すんだよッ!?このクソオヤーー
二度目のガツンッ
「ッ~~~」
レンシはうずくまって頭を抱える。
「ハハハッ、レンシはそんなに父さんに殴られるのが好きなのかぁ?」
にこやかな顔でトウシが言うが、額にはしっかりと青筋が浮かんでいる。
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