第2章 目指す先

3/20
前へ
/900ページ
次へ
川崎北稜との闘いから2日後。休 日を挟んで再出発の練習だ。 「3週間後には秋季大会がある。 それを目標にこれから練習してい く!」 八王子が練習前に喝を入れるかの ような声で話し、また続ける。 「んで、いつもなら練習ってとこ だけど今日はある人連れてきてま す。湯河原、連れてきて」 「この人だよ~!」 連れて来たのは30歳ぐらいの背 の高い、若い男。 「どちらさんなの?」 「新しい監督だ」 「か、監督?」 「そう、今まではテキトーに顧問 付けてただけだけど、監督を連れ て来ることによって、鍛えようっ てことだ」 「な、なるほど」 なぜか誇らしげに話す八王子だが 部員は状況がイマイチ飲み込みき れていないようだ。 「大変だったんだ。校長にまで掛 け合って付けてもらったんだ」 「そうなんだ……。てか、勝手に 話し進めんなよ」 「まあまあ。とりあえず監督の話 から、麻生さんお願いします」 みんなが固唾を飲んで聞く。 「お前たち、勝ちたいか?」
/900ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2326人が本棚に入れています
本棚に追加